ゲーム実況向けにサクッと遊べるゲームを作る場合や、ワンマップフェス・ネタゲーのような遊ぶ時間の短いゲームを募集する企画など。近年では「短いゲーム作品」の需要も増えています。そんな短いゲームを作る場合、セーブなどの機能は使わないこともありますよね。
今回はセーブやオプションと言った機能を使わないような
短編ゲーム制作に役立つ「ニューゲームオンリープラグイン」の紹介と導入方法をご紹介していきます。
このプラグインを導入すれば、タイトル画面がニューゲーム向けに最適化され、ワンプレイオンリーな感じに見せるタイトル画面が構成できます!また、最新版ではセーブが存在する場合の挙動も選べるようになりました。2回目以降は最新データを自動ロードするような機能もついています。
ニューゲームオンリープラグインとは?
ニューゲームオンリープラグインは、RPGツクール製のゲーム起動直後に表示される
「タイトル画面」からセーブやオプションと言った表示を排除し、ゲームスタートだけにすることができるプラグインです。
通常のツクールMV制作ゲームを起動すると、上記のように「ニューゲーム」「コンティニュー」「オプション」の3項目が表示され、「ニューゲーム」をクリックすると
最初からゲームがスタートしていきます。
一方、このプラグインを入れると、ゲーム起動直後にメニュー画面が開かれず、文字が表示されます。(上記画像で言えば Press Start)
そして、画面をクリックすると自動的にニューゲームが始まるようになります。
制作は国内向けに様々なプラグインを公開されているトリアコンタンさんになります。
■プラグイン公開ページ
ニューゲームオンリープラグイン | Delusional Field
導入に必要なもの
- プラグイン本体(上記公開ページでDLできるTitleNewGameOnly.js)
ニューゲームオンリープラグインでは、プラグイン本体をツクールMVに取り込み、ツクールMVのプラグイン管理画面から設定を行っていきます。基本的にはプラグイン本体だけで導入可能ですが、後述する拡張機能を使う場合は「フォント」や「効果音」データも必要です。
このプラグインを導入するとどんなことができるの?
このプラグインを導入することで、以下のような効果が狙えます。
- プレイヤーが素早くゲームを始めることができる
- セーブ機能がないことを認知させられる
ネタゲーのような短編ゲームでは、起動スピードやオープニングの長さがユーザーの敷居になってしまうこともあります。「ニューゲームを選ぶ」という工程を減らせるので、僅かですがユーザーの手間を減らせます。
また、セーブ機能がない作品なのに「ロード」などを入れてしまうと、ユーザーが「セーブ機能がある作品」と誤認知してしまうかもしれません。使わない表示を消すことで、ユーザービリティの向上につながります。
ニューゲームオンリープラグインの使い方
では、実際にプラグインの導入から使い方を解説していきます。
ニューゲームオンリープラグインを有効化しよう
1.制作中のゲームプロジェクトフォルダを開く
2.プラグインを「plugins」フォルダに入れる
3.ツクールMV画面に戻り、『ツール』→『プラグイン管理』を押します。
4.プラグイン画面管理の空白部分し、基本設定画面より今回使用する「TitleNewGameOnly」を選び、OKを押します。
5.プラグイン管理画面に下記のような「TitleNewGameOnly」が追加されれば有効化完了です。
ニューゲームオンリープラグインの設定を行う
タイトル画面に表記される文字を決める
ニューゲームオンリープラグインは決めていく項目が少ないプラグインです。まずはタイトル画面に表記する文字の設定を決めていきます。
プラグインを導入してデフォルト設定のままゲーム画面を起動すると、上記画像のように「Press Start」という文字が表示されます。画面上をクリックするとニューゲームが起動します。プラグインの設定を行うことで、この「Press Start」という文字の表記を変えることができます。
プラグイン設定から、「TitleNewGameOnly」をクリックし、ニューゲームオンリープラグインの設定を行うウィンドウを開きます。
タイトル画面の表示文字に関する設定は「PressStart」と「FontFace」の二箇所で設定を行います。
「PressStart」は、タイトル画面に表示する文字そのものです。初期では「Press Start」になっているため、何も設定せずに起動すると「Press Start」という表記になリました。試しにこの項目を「スタート」という表記に変えてみましょう。
実際にテストプレイしてみます。
表記が設定した「スタート」に変化しました。「Press Start」以外の表記に変えることができるので、皆さんのゲームに沿った表記に変更しましょう。
そして、「PressStart」で設定した文字は、フォント(字体)を変えることもできます。ツクールで設定しているフォント以外のものを使いたい場合は「FontFace」を設定していきます。
まず使うフォントをプロジェクトの中に入れましょう。フォントデータをプロジェクトデータにある「fonts」フォルダを開き、フォントデータを入れます。
今回は無料配布されている「けいふぉんと!」を試しに入れてみます。
参照:「けいふぉんと!」
ここで、フォントデータの名前を覚えておきます。けいふぉんとで言えば、「keifont」ですね。
次に、プラグイン管理画面を開いて「FontFace」を設定していきます。
「FontFace」をクリックして表示されるウィンドウに、拡張子を除いたフォントファイルの名前を記入していきます。けいふぉんとで言えば、「keifont」です。これでフォントの設定は完了です。
テストプレイをしてみると、先程設定した「スタート」という文字が、太い形状のフォントに変化しました。作品でフォント設定を変えたい場合はこの手順で設定を行いましょう。
以上で、基本的な使い方は終了です。
既存セーブ有無による判定と音を追加する
ニューゲームオンリープラグインでは2つの補助機能がついているので、簡単に紹介します。
まずひとつ目が「ContinueEnable」です。半角英字で「ON」もしくは「OFF」で設定します。
デフォルトはOFFですが、ONにしている場合、ゲームに「セーブデータの記録」があると、「PressStart」で設定した文字をクリックした後に、通常のウィンドウが起動するようになります。
■例 「ContinueEnable」をONにし、セーブデータがある場合
まずはスタート画面が出ます。
クリックすると、通常のタイトルメニューが表示されます。
長編などを制作の場合、「初回プレイ時にクリックでニューゲームが始まる」というようなタイトル演出が可能です。
もう一つは「StartSe」です。これは、「PressStart」で設定した文字をクリックした時に鳴る効果音(SE)を設定します。
今回はツクールにデフォルトで入っているAbsorb1を入れてみました。
「PressStart」で設定した文字をクリックすると「Absorb1」の効果音が鳴るようになります。
Ver2.0よりセーブがある場合の挙動を細かく設定可能に
Ver2.00より、セーブデータがある場合、いくつかの動作ができるようになりました。
- ニューゲームを開始
- 通常のウィンドウ(ニューゲーム/ロード/オプション)が表示
- 最新のセーブデータをロード
オートセーブなどと併用すれば、課金ゲームのようにセーブ一つしか作れないようなゲームを作ることもできるかも知れません。
まとめ
今回はタイトル画面でいちいち「ニューゲーム」選択をせずに済むようなメニューになるプラグインを紹介してきました。
導入必須の作品ではありませんが、ワンプレイで終わるような作品とは非常に相性が良いプラグインになっています。
短い作品を制作してみる場合は導入してみてはいかがでしょうか。
*本記事は『TitleNewGameOnly.js Version1.20』を元に作成しております』
*プラグインの利用は各自の責任のもとご利用下さい。(プラグイン導入で問題が起きた場合は責任を負えません。バックアップしてからテスト導入をしてご利用下さい。)