広告 ゲーム創作論

クソゲー評価を回避したい人のための自作ゲームのチェックポイント

自作ゲームが完成し、ゲーム投稿サイトに作品を投稿!
自分の作ったゲームを、たくさんの人が手に取り、どんな風に楽しんでくれるのか、どんな感想やコメントをくれるのか……

作品完成後は、ワクワクしている気持ちの人も、多いのではないでしょうか?
ですが、実際にゲームを公開して嬉しいコメントを貰えるかと思いきや……

意図していないようなツッコミを受けてしまったり、細かい点がきっかけで低い評価を受けてしまったと言う人も多かったりしてしまいます。せっかく作ったのに、ゲームの本質を見てもらえない、最後までプレイしてもらえないのはとても悲しいことです。

今回は、作品完成直後だからこそ、公開前に作品を客観的に見て、より遊んでもらえるように、公開前にチェックしてほしいポイントをまとめました。基本的なことから、プレイヤーサイドに立った点まで紹介していきます。見落しがあった場合や、その視点は気付かなかった!といったものがあれば、ぜひ公開前に改良して見て下さい!

必須事項編 | 確認1~3


まず確認事項1つ目~3つ目は、何はともあれやって欲しいこと3選です。やらなきゃいけないけど、公開前ほど心躍って急ぎたくなってしまう気持ちはわかります。ですが、その油断が命取りになってしまうこともあるので、ぜひ確認してみて下さい!

確認1 通しプレイはしましたか?


まず、一番重要でもあることから。「通しプレイをしましたか?」

細かくテストプレーしている人などの場合、どうしても「途中途中でテストしたから大丈夫だろう!」と、通しプレイを行わずに投稿されてしまう方も多いかもしれません。

ですが、各マップのつなぎ忘れがあったり、スイッチの番号設定を誤って設定している可能性もあります。全体を通してプレイするからこそ見つかるような、設定の矛盾・バランス感覚の悪さが見つかることも多いです。

さらに、進行できないような箇所があってしまうと、プレイヤーにとっては「数時間もプレイしたのに!」と、大きなストレスを感じさせてしまいます。
ちょっとしたミスでも、プレイヤーの人にとってはプレイして時間は数時間かもしれません。その時間が、無駄になってしまったと思われてしまえば、酷評に繋がってしまう可能性も大きくあります。

必ず通しのテストプレーを行いましょう。

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▲イベントに直接関係の無い村人の家などは、場所移動設定を忘れがち。入ったら出れなくなった!といったバグを発生させないよう、細かく確認していこう

確認2 Readmeは作りましたか?


パソコン版のツクールなどでゲーム制作を行う場合、取扱説明書……いわゆるReadmeは作りましたか?RTPが不要となったツクールMV以降では、Readmeは特に重要な要素の一つです。

著作明記必須の素材を使っている場合は、Readmeなどに記載しないと利用できない場合もあります。

また、操作方法もどこかに記載するべきかもしれません。あなたにとっては「ツクール製のゲームだからプレイすればわかる」ように思うかもしれません。しかし、もしかしすると、プレイヤーさんが初「ツクール製ゲーム」があなたの作品かもしれません。操作がわからないで、人かもしれません。(実際にフリーゲームの実況を見てみると、冒頭の操作や名前入力方法をコメントで教えてもらっている実況者さんも多いです)

最低限、以下のようなポイントを踏まえた
Readmeを作成することをオススメします

・作品のバージョンや更新日
・最低限の操作方法
・使用した素材の内容(著作明記必須の素材を利用した場合のみ)
・あなたの情報(サイトやTwitter、公開作品の一覧など)

この他にも、作品を守るために「無断転用の禁止の明記」や、感想などを気軽に書けるように「感想記載先のURL」、バグ報告用に「連絡先(Twitterやメールフォーム)」なども用意されていると色々なユーザーへの対処も可能となります。

なお、Readmeを作成する場合、ウェブで見れるような形式(htmlなど)や、汎用性の高い文章形式(txtやpdf)を利用しましょう。ワード形式(.docxなど)やエクセル形式の場合は、そのソフトを持っていないと見れないことも多いです。作っても見てもらえなければ、無駄になってしまいます。

以下にRPGツクールMV、MZ向けの最低限の操作方法をまとめた記述を載せておきます。ご自由に使用していただいて構いませんので、操作方法など作成時にお役立て下さい。

■操作方法(キーボード)

左へ移動 :方向キー左、テンキー4
右へ移動 :方向キー右、テンキー6
上へ移動 :方向キー上、テンキー8
下へ移動 :方向キー下、テンキー2
指定マスへ移動 :移動したいマスをクリックorタップ

決定 ;Zキー、Enterキー、スペースキー、対象をタップ
キャンセル :Xキー、Escキー、テンキー0、二本指タップ
メニュー :Xキー、Escキー、テンキー0、二本指タップ
ダッシュ :Shiftを押しながら移動ボタン *注1

F4キー :全画面モード切替
F5キー :リロード(再起動してタイトルへ)

音の調整 :メニュー画面のオプション項目

*注1
オプション項目で常時ダッシュ・常時歩行の切り替えが可能

確認3 フラグの管理設定は忘れていませんか?


少しでも本格的にゲームを作ろうと思った時に役立つスイッチ。ボス戦など大きいイベントを作成すると、制作疲れから、フラグ管理を忘れてしまうこともしばしばです。

  • 前イベント終了を条件にせず、一部イベントが飛ばせてしまう
  • イベント後、再度同じマップに来るとイベントが再発動してしまう
  • イベントに直接関係ないキャラの消し忘れ

イベントを飛ばしてしまうような要素を残してしまうと、プレイヤーが正しい順番でイベントをプレイできなかった場合、シナリオ展開が混乱してしまう恐れもあります。

また、スイッチと併用して持ち物や変数をイベントのトリガーとしている場合、詰んでしまうようなイベントができてしまう可能性もあります。今一度、イベントシーンでのフラグ管理が正しく行われているか、確認しておきましょう。

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▲イベントシーン作成後は必ずセルフスイッチやスイッチで空白ページや代替イベントを作るよう癖をつけましょう

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▲仲間イベントを飛ばして次のステージに来てしまった場合などの事例。三人ってどういうこと?とかになっちゃうかも!

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▲モブキャラ消し忘れの事例。トリガーとなるイベントや動かす魔王は消したけど、姫様消し忘れとかありがちなので注意

ゲームバランス編 | 確認4~6


確認4 エンカウント比率は最適ですか?


RPGの要と言えるような戦闘&エンカウント。バランスが悪いと、プレイのテンポが悪くなってしまい、プレイヤーに大きくストレスを与えてしまうことも多いです。

特にツクールシリーズのデフォルト値では、数歩歩いただけでもエンカウントしてしまうことも多く、批判を受けてしまうことも多いです。ゲーム全体や狙っているプレイヤーのゲームスキルをしっかりと分析し、ターゲット層や作風に合わせてバランスと調整しましょう。

プラグインなどを使うのもおすすめです。

■参考1 プラグイン
RPGツクールMV プラグイン素材「ランダムエンカウント最低歩数の初期値を設定」(ゆわかさん)
エンカウント最低歩数設定プラグイン(シトラスさん)
エンカウント率制御プラグイン(赤月 智平さん)

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▲長いエリア攻略が続く場合は、適度に会話イベントや休憩ポイント、宝箱を導入するのも有効です。休憩やご褒美を入れ、戦闘ばかりが続かないように飴と鞭を使い分けることを意識しましょう

確認5 序盤から異常状態攻めを多用していませんか?


「異常状態」はRPGとしての戦闘の幅を広げる一方で、使い方を誤ってしまうと、大きくバランスを崩してしまう要素の一つでもあります。

特に意識してほしいのが、「序盤からの異常状態多用」です。よくある問題としてあげられるのが「毒」。冒険冒頭で「毒」を使う敵を出してしまったりすると、「毒回復にMPを使って宿屋に戻る回数が多くなる」「武器買わないといけないのに毒消しとかにお金が出てくる」といった、
プレイヤーのワクワク感を邪魔してしまう可能性があります。

また、味方が一人しかいないのに「麻痺」などの、行動不能スキルを入れるときも注意が必要です。敵に先手を取られて麻痺・ひるみなどを連発されてしまうと、何も出来ずに敗北してしまうという、理不尽さを感じさせてしまうこともあります。

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▲ずっと俺のターンならぬ、ずっと敵のターンになってしまう可能性も

商業作品なども見てみると、Lv5~10ぐらいで毒が登場する、パーティが複数になってから麻痺などを取り入れている作品が多い印象を受けます。何も対策しない状況下での序盤からの異常状態攻めを取り入れる時は念入りにバランス調整をしましょう。

確認6 ボスの異常状態耐性は適切ですか?


自分でテストプレーをする時は敵の行動パターンなども把握しがちです。テストプレイでは、どうしても攻撃スキルなどで押し切ることが多いと思います。そのため,意外と忘れてしまうのが、ボスの異常状態耐性調整です。

HPの高い敵が多いボスキャラは「毒」といった割合ダメージを与える異常状態により、結果的に通常攻撃よりも大ダメージを与えてしまうようなケースも多いです。

また、「麻痺」といった行動を封じるような技、「即死」のような一撃必殺の異常状態が掛かり過ぎてしまうと、レベル上げなどのプレイヤー努力を無意味な結果にしてしまう可能性もあります。(負けイベントが勝てるような仕様になってしまうこともあります!)

一方で、全ての敵に上記系統の異常状態を封じてしまうと、異常状態付与技が使いづらくなったり、ボス戦パターンが同じになりがちです。

ボスごとに異常状態耐性をうまく割り振ると同時に、異常状態耐性でも個性が出るような敵も稀に入れるような方向で調整すると良いかと思います。

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▲負け確定戦闘イベントでの属性耐性チェックは特に注意。意図せず異常状態で勝利できるような仕様になり、バグになる可能性もあるぞ!

確認7 敵の行動や個性は似たり寄ったりや嫌味が多くない?


RPGでの冒険が長くなれば長くなるほど、ザコ敵との戦闘は多くなるもの。

ボス敵と異なり、どうしても力が入らないことも多いザコ敵ですが、ユーザーにとって接触する回数が多いのはボスよりもザコ敵なのです。

全てのザコ敵の行動が通常攻撃だけになっている、特殊行動は毒攻撃と連続攻撃だけ……みたいになっていませんか?同じエリアでいろんな敵が出てきても、体感的には見た目しか変わっていないなんてこと、起きていませんか?

一方で、「素早さが高すぎて攻撃が当たらない」「回復魔法ばっかり使って弱いけど粘られる」といった敵の個性は、戦闘のテンポを崩してしまう、嫌味な個性に見えてしまうこともあります。

いくつか商業ゲームなどを参考に、ちょっとした敵の個性を挙げてみますので、もし使えそうなものなどあれば、ご参考に。

  • 様子を見る、無駄な動きをするなど、あえて行動しない動きを入れる
  • 魔法攻撃だけ効かない・吸収する
  • HPは高いが防御が皆無
  • 同じ魔法で低威力にした敵専用魔法を使わせる
  • ステータスをあえて低くして倒す優先度の低い敵を用意する

確認8 武器防具・アイテムの値段は適切ですか?


武器や防具、アイテムの値段が適切でない場合、酷評理由の一つにあげられてしまうケースも多いです。

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例えば、周辺のモンスターを倒しても150ゴールドしか貰えない。武器の相場が平均3500ゴールドだった場合、味方パーティ4人の武器を揃えるためだけに周辺で90回近く戦闘をしなければいけなりません。そんな計算になってしまうと、完全に作業ゲーと化す場合があります。

特に、そのエリアの最強装備を揃えないと厳しいような戦闘バランスのゲームでは、お金貯めの作業が増えがちです。テンポが崩れたり、ユーザーに思わぬ負荷を与えてしまうこともあります。

ゲームの目指す難易度に合わせて、お店の値段もしっかり調整しましょう。

詰み回避編 | 確認9~11


確認9 次やることは再度確認できるようにしていますか


携帯ゲーム機などのゲームと異なり、フリーゲームやスマホゲームは合間時間や余暇時間にプレイすることが多め。

特にツクールシリーズなどは年齢層も高くなっており、社会人プレイヤーなど、長時間プレイができないユーザーも多くいます。

イベントで指示をした内容が再度確認できるような処置を導入しておくと、プレイヤーは「次の目的」がはっきりする他、読み飛ばしなどによって進行方向がわからなくなるといった項目も回避することができます。

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▲イベントを指示したキャラに再度話しかけたとき、具体的な内容を再確認できるようにすると、時間があいたユーザーもプレイしやすくなる

確認10 回復ポイントは適切ですか?


RPGでは、イベント発生時に行動が制限されることも多め。特定のダンジョンから抜けられない、街に入れないなど。様々な行動制限は物語展開に印象を与えることも多めです。

しかし、制限先に「回復ポイント」が適切に置かれていない場合、万が一ユーザーがピンチになってしまう、敵を倒せずレベル上げしたいといった状況下になってしまったとしても、「回復できずに実質倒せない」という状況に陥ってしまい、実質的な詰みになってしまう可能性もあります。

行動を制限する場合は、最低限の回復ポイントを用意する、事前に回復ポイント制限などを仰いでおくと良いでしょう。意図的に導入する場合は、必ず最悪の事態も考えつつバランス調整をしましょう。

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▲戻るわけにはいかない!のはわかるけど、「戻って回復しないとやられちゃう!」という状況下に陥った時はどうしようもなくなってしまう

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▲宿屋などが配置できないダンジョンでは回復の壺、戦場などでは後方支援の兵士などを置いておくと自然に回復ポイントを導入できる

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▲長時間攻略を要する場合などはアイテム屋などもあると、ユーザーも戦略が立てやすくなる

確認11 ボス戦などの大きいイベント後のエンカウント処理は適切ですか?


ボス戦や長いイベントが終わった後、セーブを行うユーザーも多いと思います。

一方で、強力なボス戦を終えたゾーンにも、ザコ敵のエンカウントがある、ダンジョンから脱出のために再びエンカウントゾーンを抜け出さなければいけない場合など。

「セーブしてしまうような流れ」によって、記録したがゆえに回復できず詰んでしまうような可能性もあります。

また、ボス戦のエリアに敵を配置した場合など、ボスを倒して油断してしまったプレイヤーが
回復せずにエンカウントしてしまい、敗北すると「やっとボス倒したのに……」とストレスに感じてしまう可能性もあります。

商業ゲームなどの傾向を見ると、強大なボスがいるエリアなどには敵がいないケースが多い印象です。「ボスエリアにエンカウントは必要か?」というのを再度認識するとともに、「イベントで脱出処理」を入れたり、脱出用のワープゾーンを近くに置く、帰還アイテムを途中に入りするなどもしてみましょう。セーブの流れからの詰みやユーザーのストレスからプレイを断念されてしまうと言った要素を取り除けると思います。

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▲イベント会話後、フェードアウトし、フェードインすると他のマップに移動しているという手法は古くからRPGで利用されている処理だ

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▲ダンジョンなどの最下層に脱出ポイントがあると、次の展開へはやるユーザーの気持ちを後押しするきっかけにもなるだろう

その他編 | 確認12~13


確認12 ユーザーを置いていってしまう展開になっていませんか?


制作者さんはどうしてもゲーム設定を熟知しているので、キャラクターとの相関関係や背景などがゲームで表現しきっている内容よりも熟知されがち。

独自の世界観や固有名詞があるような世界では、説明不足などから、ユーザーにとっては超展開に見えてしまっている可能性があります。

固有名詞やその作品ならではの情報は、しっかりと伝わる構成になっているか、客観的な視点を
意識して見直してみましょう。

不足している場合は、伏線を導入したり、図鑑系のプラグインなどの機能で補助してあげると良いでしょう。制作日時から数日、日を開けてテストプレイすることも有効です。

■補助に役立つプラグイン
ゲーム内用語辞典プラグイン(トリアコンタンさん)
Book of People(Soulpour777さん)

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▲モブ・サポートキャラと思われるキャラが突然活躍する場合などはしっかりと伏線を貼っておいたりしないとご都合展開のように見えてしまうこともある

確認13 サポートはしっかりとしよう!


最後の1点については、サポートです。

実際に商業ゲームが発売される場合、多くはテストプレーなどにも人員を割いて、ミスを0にしようとするぐらい、バグ取りは大変なんです。

バグなど0の状態で出すことは重要ですが、どんなに頑張ったとしても、バグなどが出てしまいます。そういった場合に備えて、公開後のサポートもしっかりできるような日程を逆算して作品を公開していきましょう。

プレイヤーがバグを指摘してくれたということは、あなたの作品に少しでも貢献しようとしてくれているのです。プレイヤーさんも「バグ報告」するために、時間を掛けてバグ報告の文章を書いてくれています。

バグ修正は、対応次第でプレイヤーさんを、よりファンにできるきっかけになる可能性も秘めています。バグ報告などは感謝するとともに、早急に対応するようにしてあげましょう。

また、バグ報告に時間がかかる場合などは、「現在バグ対策に動いていること」を情報発信することも重要です。プレイヤーにとっては「自分の報告が伝わっているのか?」という点を強く不安に思うケースもあります。

バグをゼロにして公開するのは難しいものです。時間を決めて、ある程度確認ができたら公開してみましょう。公開後にしっかりとバグなどをサポートしてあげる体制を意識するほうが、結果的に良い場合も多いです。

まとめ


今回はよくフリゲ・同人ゲームなどで指摘されているようなことを元に、公開前にチェックするべきことを記載しつつ、サポート業務経験などの知識なども加えて、「こんなポイントに気をつけると良い」という確認ポイントをいくつかまとめてきました。

どうしてもフリゲや同人ゲームの評価や感想欄を見ると、「バグ」や「システム上のバランスの悪さ」ばかり指摘され、作品の良さに触れられないまま酷評されてしまうケースを良く見てきました。少しでも細かい指摘などの対策に繋がり、シナリオや作品の個性などへのコメントが
増えるようなきっかけに繋がるようなことがあれば幸いです。

もちろん、あなたのゲームのコンセプトによっては、紹介した要素が必ずしも当てはまらないこともあると思います。(紹介したマイナス的な要素も、しっかりと調整して導入できれば、良いシステムの一つになる可能性も大いにあります)

こういう視点もあるのかーという程度で参考にして頂き、皆さんの作品に対する考えと照らし合わせながら、改善に役立つかどうか判断して頂ければと思います。

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