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RPG Maker Uniteで作られた3Dダンジョン系RPG「ハクスラDRPG 迷宮奇譚」の紹介

DLsiteで公開されている全年齢RPG「ハクスラDRPG 迷宮奇譚」を遊んでみました。RPG Maker Unite製という、まだまだ少ないゲームエディタ製のUnity系作品であり、さらに3Dダンジョンという奥行きも感じられるような画面構成の作品になっています。

ゲームとしては、全体的にオーソドックスなダンジョン探索系のRPG要素が強い作品です。お金を使ったレベルアップ要素によりいかに敵を素早く討伐してレベルをあげていくか。強力な攻撃を仕掛けるボス戦に対しては、転職によるスキル取得も活かしながらどう対応していくか、レベル上げのために周回する要素と手応えのあるバトルが楽しめる作品です。

2024年1月に公開されたv1.0.10(PC版)でクリアまで7時間40分ほど遊んでみたので、どんなゲームなのかというシステム的な紹介から、全体の感想までプレイ感想を兼ねた作品紹介を残しておきます。

最奥の敵・アビスルーラーを倒す目的の戦闘特化作品


今作は全50階で構成された迷宮の最奥にいるボス・アビスルーラーを倒すため、プレイヤーのパーティがダンジョンに挑んでいく作品です。

大きな目的だけがあり、各々のキャラクターは基本喋りません。そのため、キャラクターの簡易設定こそあるものの、シナリオはかなり少なめ。キャラクターのグラフィックや簡易設定から、自分好みのキャラクター層をイメージしながら楽しんでいくタイプの作品になっています。

そんな作品故に、序盤から自由度も高めです。本作品には職業の概念があり、ゲーム開始時には各キャラクターがどのような職業で開始するかも選ぶことができます。ゲーム中に他職業への転職もできるだめ、気軽な気持ちで職業も選びながらプレイを始めていきます。

マップは3Dダンジョン系! 宝入手や戦闘をしながら階段を目指す

そしてアビスルーラーが待ち構えている迷宮は、3Dダンジョンテイストのマップを採用しています。

操作キャラクター視点で構成されているマップは、上キーで前進。左右下キーを押すことで視点を変えることができます。マップは細い通路や小部屋で構成されており、地図を見ながら各階を探索。エリア内にある階段を見つけると次の階へと進むことができます。

マップ上には階段の他にも2種類のギミックがあります。まず1つ目が扉。主に部屋や通路をつなぐオブジェクトですが、今作の場合は「エンカウント判定」が行われるギミックでもあります。今作は同じ部屋でずっと歩いていても敵が登場することがなく、扉を開けたタイミングで戦闘が発生することがあります。ランダムエンカウントでよくありがちな、戦闘終了後にすぐ戦闘になって回復し忘れた!みたいなことが扉の視覚的なデザインのおかげで抑えられており、「扉だ、そういえば回復してない!」なんて気がつくきっかけにもしてくれます。

もう一つがランダムイベント。主に宝箱・罠・回復・帰還等のイベントが発生します。完全にランダムなので、嫌なタイミングで罠が発生したり、嬉しいポイントで回復が来たり。タイミング次第で幸運や不幸を感じさせてくれます。

戦闘特化なダンジョンRPG、お金を使った育成に注目

さて、そんな3D系のダンジョン作品ですが、最も今作の面白いポイントは「お金を使った育成」ではないかと考えます。ゲーム性の面白さを深掘りしていきます。

ターンベースの王道戦闘、指定階でボスが待ち受ける

今作は最初から四人パーティ、エンカウント自体は扉での確率発生。戦闘形式はフロントビューのシンプルなターン形式を採用。いわゆる各キャラの行動をターン毎に選択し、素早さ系のステータスに応じて敵味方が行動を行い、各ターンで入力した行動が全て終わったら次のターンに移る形式のRPGです。

戦闘自体には特段大きな特徴はなし。ザコ敵をうまく倒しながらとにかく階段を探していく形式でしょう。まさにスーパーファミコン初期頃ぐらいの戦闘特化なダンジョンRPGと言った雰囲気を漂わせてくれます。

また、全50階で構成されている迷宮ですが、5階ごとにボスキャラが登場。ザコ敵よりも遥かに高い能力値を所持しているので、基本的には味方を強化しながら所々に出てくるボス討伐を目指しつつ、下の層へと進んでいくことになります。

▲ボス敵前には赤いイベントマークで明確にボス戦だとわかる。さらにボスを討伐すればショートカットも開放できるようになる

レベルアップは拠点でのお金による強化

ボスを討伐するため、味方の強化が重要となる本作品。レベルアップはお金によるレベル上昇を採用しています。

ダンジョン内で敵を討伐しても取得できるのはお金と確率入手の宝箱のみ。プレイヤーの成長につながる、いわゆる経験値は取得できません。

プレイヤーがキャラクターのレベルを上げるためには、敵を討伐した後に帰還し、拠点に戻る必要があります。拠点の施設に行くと、レベルを上げたいキャラクターを選択することができ、選んだキャラクターのレベルによって変動するお金を消費してレベルアップが可能です。

レベルアップするためには拠点に戻る必要があるため、どのタイミングで帰還するかも重要な判断が求められます。

▲お金が重要となる本作品。拠点では特定モンスターを数体討伐することでお金がもらえる依頼もある

デメリットにも注意する、職業によるスキルや成長

そんなレベル要素に関連して注意も必要なのが「職業」の要素です。各キャラクターにはレベルがありますが、レベルによって取得できるスキルや能力値は各キャラクターの職業に応じて変動します。

職業の数は全部で8種類。物理攻撃が得意なアタッカー系から魔法の補助・攻撃が得意なジョブまで色々な種類があります。全てのキャラクターが全てのジョブになることが可能。パーティ全体のバランスや戦略も考えながら進める楽しみがあります。

ただ、転職については注意が必要な面もあります。それがレベルリセットです。各キャラクターは転職を行うとレベルが1に戻されてしまいます。取得しているスキルは引き継ぎますが、一度レベルを上げた職業も転職して戻したとしてもレベルが初期化されています。

ただ、職業によって覚えたスキルは引き継ぎます。さらに、職業によっては基礎能力値が上がるパッシブスキルも覚えます。うまく狙えば回復も使えるアタッカーや全体攻撃による波状攻撃、長所を伸ばしたり短所を補った立ち回りも可能です。

デメリットが発生する作品が苦手な方にはやや短所を強く感じるかもしれません。個人的にはまず一番最初に色々なジョブにつけてみて強そうなジョブを探し、ある程度ジョブの強弱が見えてきたタイミングで積極的に挑戦して転職して見るとより楽しいのではないかと思います。

▲魔法系の職種を渡り歩けば、攻守ともどもに活躍する魔法を扱えたり、魔法の使用に特化したキャラに成長させることも可能です。

手応えのある攻撃にどう立ち向かうかが楽しい

さてそんな作品の全体的に面白かった点は、昔ながらの戦闘特化RPGを感じさせてくれたところです。

お金によるレベルアップは、ある意味ダンジョンから帰還しなければいけないというデメリットもあります。転職によるレベルリセットも最近のRPGと比較するとシビアな形式でしょう。しかし、これらのデメリットが緊張感となり、どこで撤退をするべきか。いかに効率よく攻めていくか、消耗品アイテムをどう活用するか。敵の強さと合わせて、シンプルなRPGゆえの戦略を練っていくかを考えていくのがとても楽しいです。

ハクスラ系のタイトルが付いていますが、そこまで個性的な装備はなく、装備の強さも抑えめ。ゆえに装備で大幅に戦略が練れる要素は少ないので、やはり戦闘特化のRPGとして考えていく方が本作の魅力は感じられます。

ゆえにバフやデバフ、消耗品アイテムもしっかりと活用した戦闘を意識するかどうかでやや快適さも変わってきます。サクサクと進むようなRPGが好きな方よりかは、スーパーファミコン初期頃ぐらいの高難易度ゲームが好きな方におすすめな印象です。ときには運次第で強烈な攻撃が連続されたり、異常状態を受けてしまうこともあれば、逆に楽な行動パターンに当たってラッキーな感触も味わえる。良さも悪も含んでゲームとして楽しめるダンジョンRPGな印象があります。

それゆえに人を選ぶ作品ではありますが、しっかりと手が打てるようなポイントも多め。じっくりと遊んでいきたいオーソドックスな戦闘形式のRPGとしての魅力がある作品に思えます。

昔ながらの硬派な3Dダンジョンが楽しめる

以上、個人的な「ハクスラDRPG 迷宮奇譚」の紹介と感想でした。

硬派なダンジョンRPGよりのため、個人的にはある程度育成の方針が経ち始められる中盤から非常に面白さを感じられました。成長にはお金が重要、ではそのお金を得るためにはどうやって戦闘を効率的にしていくか。進める一番奥で稼ぐか、それよりも少し手前の倒しやすい階層で戦うか。

効率よく稼ぐのであれば、あえて転職して雑魚を一掃できるようにしたりするといいのではないかと、試行錯誤のコツが掴めていくほど、周回による地道なお金稼ぎ、そして徐々に周回効率が上がったり、ボスを倒せたりする喜びも感じられました。仲間が残り一人でダメ元で攻撃したらボスを倒せたことも数回あり、こういった計画する楽しみや興奮を味わえるのは、手応えあるゲームならではの魅力だと思います。

今作はRPG Maker Uniteで作られたまだまだ珍しいゲーム制作ツール性の作品です。同作者さんは3DダンジョンRPGを作れるアドオンも公開されています、ダンジョンを作りたい方も手にとって見ると雰囲気が味わえるのではないかと考えます。

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